はじめに
近年、民泊業界は急速に成長しており、2024年の訪日外国人はコロナ以前の2019年比を超えた約3500万人に達する見込みであり、その収益性には勢いがあります。新設施設数も年々増える傾向にあり、民泊の営業権譲渡売買、つまりM&A(Mergers and Acquisitions)も注目されています。M&Aを初めて検討する方々に向けて、民泊M&Aの基本的な流れとその各段階での重要なポイントを解説します。この記事では、調査から引き渡しまでのステップを順を追って説明します。
1. 調査(Due Diligence)
まず、民泊M&Aの最初のステップは調査です。買収対象となる民泊物件の詳細を調べ、その譲渡価格が正当かどうか、対象物件の実態を正確に把握し、買主のリスクを最小限に抑えることです。
昨今の小事業M&Aマッチングサイトでは売事業に関して、サイト側が調査を行わないケースも多く、不透明な取引や売主、買主間のトラブルが絶えません。そんな中、民泊M&Aアシストでは法令チェックはもちろんのこと、OTAやサイトコントローラーでの統計、実データに基づいた評価を行いますので、買主にとっては安心して事業を購入することが可能です。
特に転貸民泊でのM&Aに関しては、建物賃貸借契約書の名義変更について、建物所有者等の許可を得ているかどうかを確認した上で、事業掲載が可能かどうかの法的チェックを行います。
調査のポイント
- 法的状況の確認: 物件が法的に問題ないかを確認します。例えば、建築基準法や住宅宿泊事業法、旅館業法に違反していないか、許可が正しく取得されているかをチェックします。
- 収益性の確認: 過去の収支報告などを精査し、事業収益性や対象顧客などを把握します。
- 建物状況の確認: 建物の状態を確認します。建物の老朽化状況、必要な修繕の有無などをチェックします。
- 契約状況の確認: 現在の賃貸借契約書や予約状況、管理契約などを確認し、今後の運営に支障がないかを確認します。
2. 評価(assessment)
調査が完了したら、次に行うのは事業評価です。これは、調査結果をもとに事業価値を見積り、その評価結果レポートを提出させていただきます。調査レポートではADRやOCCなどの宿泊業における収益性や周辺エリアにある競合施設との比較など、その事業の将来性などを予測します。
評価のポイント
- 市場価値の分析: 同地域の類似事業の売買価格や相場を調査し、対象事業の市場価値を見積ります。
- 収益力の評価: 過去の運営実績や将来の収益予測をもとに、事業の収益力を評価します。
- リスク評価: その事業に関連するリスク要因を評価します。例えば、周辺地域の問題や建物の老朽化、新規開発計画による影響などです。
3. 掲載(publish)
事業評価が完了したら、いよいよweb掲載です。民泊M&Aアシストは、民泊M&A市場の活性化を目的としており、掲載は完全無料としております。(買主は売買価格の10%(+税)の業務手数料)
掲載された民泊M&A情報にはすべて、評価レポートを添付させていただいておりますので、買主はスムーズに事業購入を検討することができます。
掲載のポイント
- 掲載手数料は完全無料: 物件の詳細情報や写真、評価結果などをもとに、魅力的なリスティング(事業紹介ページ)を作成します。
- 広告: 物件の詳細情報や写真、評価結果などをもとに、魅力的なリスティング(事業紹介ページ)を作成します。
4. 交渉(Negotiation)
事業に興味を示した買い手が現れたら、次は交渉です。ここでは、価格や契約条件についての交渉が行われます。
主に①事業価格 ②引き渡し日 ③関連契約の引継ぎ方法 など詳細な部分をまとめていきます。
また、事業を購入される買主については、交渉時でのトラブルを避けるため、事前に①本人確認書類の提出、②確定申告書および決算書の提出 を行わせていただいております。
交渉のポイント
- 価格交渉: 事業の評価結果をもとに、売り手と買い手の双方が納得できる価格を設定します。価格交渉では、売り手の希望価格と買い手の予算とのバランスを取ることが重要です。
- 契約条件の調整: 契約条件についても詳細に交渉します。例えば、引き渡し日や支払い条件、引継ぎ事項の内容などが含まれます。
5. 契約(Contract)
交渉が成功したら、いよいよ契約締結です。ここでは、売り手と買い手が正式な契約書を作成し、署名します。
契約のポイント
- 契約書の作成: 交渉で合意した内容を基に、正式な契約書を作成します。契約書には、物件の詳細、売買価格、支払い条件、引き渡し条件などが明記されます。
- 電子署名と承認: 売り手と買い手の双方が電子契約書に署名し、正式に事業譲渡契約が成立します。
6. 引き渡し(Transfer of Ownership)
契約締結された後、最後は事業の引渡しです。ここで、正式に営業権が売り手から買い手に移転されます。
引き渡しのポイント
- 決済の完了: 契約書にもとづいて、売買代金の支払いが完了します。契約完了後、名義変更手続きを実施いたします。
- 事業引き渡し: 実際に事業が買い手に引き渡されます。鍵の受け渡しや、必要な書類の引き継ぎが行われます。
まとめ
民泊M&Aのプロセスは、調査から引き渡しまで多くのステップを経る複雑なものですが、各段階をしっかりと理解し、適切に進めることで、安全に取引をすることできます。初めて民泊M&Aを検討する方にとっては、事業価格が適正かどうかの判断は難しく、専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。
この記事が、民泊M&Aの流れを理解し、実践する際の参考になれば幸いです。